この記事ではマラソン経験無しの私が初めてのフルマラソンをハワイのホノルルマラソンで挑戦した体験記です。前編の続きから綴り始めますので、よかったら前編も覗いてみていただけると嬉しいです。
30km地点からの地獄
30kmを過ぎてからは本当に辛かったです。足はパンパンで膝関節も少し痛くなり始めていました。ペースはがくっと落ちて6分30秒/kmくらいだったと思います。こうなってくると1kmごとに現れる距離を示す旗が遠く感じます。
太陽もだんだん高い位置に上がってきて気温も一気に上昇してきました。汗の量が一段と多くなり、目に入ってしみるのがなんとも鬱陶しい。12月とはいえ、さすがはハワイです。この日も27~30℃くらいまであがったみたいです。水分補給はしっかりするように気を付けて、給水ポイントでは歩きながら回復させて、また走り始める。そのサイクルを淡々と繰り返していました。この区間はとにかく耐えることですね。
35km周辺のアクシデント
35km地点を過ぎたところでしょうか、少し下り傾斜になったところで私はなんだかペースを上げれる気がしました。調子に乗った私はもう一度気合いを地面を蹴りました。久しぶりに風をきる心地良さを感じた瞬間、足が完全にもつれました。スピードが出ているのに踏ん張りがきかない足は使い物にならず、思いっきりこけました。
いつぶりだっただろう、あんな大胆に転ぶのは。同時に足がつってしまいました。泣きっ面に蜂とはこのことでしょう。もがき苦しみながら、「完走できないかもしれない」なんて弱気な自分が現れました。
すると、沿道の観衆の中から一人のおじさんが出てきて、”Are you OK?”と声かけ、私の足を伸ばしてくれました。なんて優しい人なんだろう。「こんな速いペースでよくここまできたな、あと少しだ頑張れ」的なことを英語で言ってくれました。私は涙をこらえながら、立ち上がりました。不思議なことに、さっきよりも力がみなぎるような感じがしました。沿道からは小さな子供たちも声をかけてくれています。私はこのとき本当に幸せな気持ちでした。
マラソン大会で走ることの醍醐味ってこういう所にもあるなと私は思います。マラソンって一見孤独な個人競技に見えます。でも大会では沿道にたくさん人がいて、分け隔て無くランナー全員に声援を送ってくれる。給水所や休憩所ではランナーが水分補給をスムーズに行えるように、常に準備してくれているスタッフがいる。そして周りのランナーと一緒に同じゴールを目指す。抜かれたり、抜いたり、切磋琢磨しているような感じがしてたまらない。この経験は他の何にも変えられないと思います。
ワイキキビーチにてフィナーレ
満身創痍の私は、周りの方々のおかげさまでなんとか、ゴールテープをきれそうです。40km地点周辺のダイヤモンドヘッドにむけての登りは壁のように感じましたが、これもなんとか乗り越えました。
すると、ワイキキビーチが見えてきて、辺りはゴール地点での催し物で盛り上がっていました。沿道の人々の数もどんどん増え、気持ちが高ぶります。このときは不思議と足の痛みを全く感じていなかったような気がします。
最後の直線、400m~600mくらいはあったでしょうか。ゴールが見え、あと少しだと安堵する一方で、なんだか終わってしまうさみしさを感じていました。沿道では「フォー!!」と叫んで盛り上げてくれる人がたくさんいて、注目を浴びているような気がします。なんか本当にマラソンランナーになった気分。最高だった。
遂に、ゴールです!
まとめ
ホノルルマラソンを振り返って今思うことはこれです。
「挑戦して本当に良かった」
ただきついだけじゃなく、お祭りのような盛り上がりでスタート前、マラソン中、マラソン後もすべて楽しいです。それにハワイの景色を堪能しながら走れる、とても贅沢な時間でもありました。
また参加したいと心から思っています。フルマラソンにまだ挑戦したことが無い方は、是非一度エントリーしちゃってみてください!きっとかけがえのない経験ができると思います!
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