シリコンバレー最重要思想家:ナヴァルラヴィカント
A Guide to Wealth and Happiness
・富の創造に力を入れよう!自分自身をプロダクト化する
・心身の健康を保つことに力を入れよう!幸福は心身の健康から
本書はシリコンバレーで起業家やエンジェル投資家として活躍するナヴァル・ラヴィカントという人物の思想についてまとめられた本です。ナヴァルさんはインドの貧しい家庭に生れながら、一代で富を築いたまさに大成功者です。彼がどのような考え方で生きてきたのか、それを知る手がかりは彼のTwitterにあります。Twitterでつぶやいた彼の言葉からは大変学ぶことがあり、著者のエリック・ジョーゲンソンさんが書籍化してくれました。この本はそういう本です。
この本に出会ったきっかけとしては、ベストセラー「お金の大学」の著者である両学長のYOUTUBEチャンネルで紹介されていたことにあります。お金が集まる人の考え方や行動習慣がどんなものなのか、また資産を築いた彼が幸福について何を語るのか。この点に興味を抱いて読むことにしました。
本書を読んで、若い時期に出会えて良かったと感じました。何事も複利で考えると、とにかく早く行動に移して行く必要があると再確認させられました。富の創造をするには、自分の得意なことを武器にテクノロジーを使ってプロダクト化し、それを多くの人に届ける必要があるということ。その他のお金の本でも紹介されているようなことを、より忠実に言語化してくれているような気がします。
ただ頭で分かっていて行動に移してもなかなか結果が伴わない事があります。彼はそのような人に「大丈夫、いつか報われる」なんて甘い言葉をかけません。「努力量は勝負を決めない」とばっさり切ります。ではどうすればいいのか。それは自分が没頭できることで世の中にプロダクトを届ける事だと言います。自分が没頭できることは、自分にとっての特殊技術。没頭できなければ大差で負ける。
彼は自分の特殊技術を磨くためにも、とにかく本を読むことを薦めています。何を読むかなんて関係ない。とにかく自分が読みたいと思う物をむさぼるように読む。読むことは現代においてとても希少なのだと、彼は背中を押してくれます。
自分自身大学時代にはむさぼるように本を読んでいて、とても充実した読書生活を送っていましたが、最近はついつい「どの本が今一番必要か」なんて考えてしまって、読みたい本を方端から読めていないなと反省しています。もっと自由に、興味を持った本をどんどん読んで、その内容を発信して共有できたらなと改めて思いました。
ところで本書では、富の創造だけでなくナヴァルさんの幸福論についてもられています。彼は富の有る無しではなく、心身の健康こそが幸福に寄与すると語っています。個人的にはこの意見に大賛成というか、富の成功者がこのように語ることが意外でありながらも嬉しい気持ちでした。
彼は心と体の健康を保つために、食事に気を付けた上で運動と瞑想を取り入れているそうです。
食事は、脂肪と糖の組み合わせを避けるべきと語られています。糖分は空腹感をあおり、脂肪の満腹感を与える効果を凌駕するからだそうです。世の中に売られているスイーツなどはまさに糖と脂肪の組み合わせてできています。ドーパミン中毒に付け込んだ消費社会の罠に引っかからないように生きていきたいと思いを改めました。
運動は毎朝必ず行ない、運動をせずして一日をスタートさせないそうです。運動で一日をスタートさせれば、一日の中でそれ以上にきついことはなくなります。また、身体を柔らかく保つことが若さを保つ秘訣だとも言います。とにかくなんでもいいから毎朝運動をする。これは是非真似したい習慣だと感じました。「週2~3回でいいよー」なんて甘い言葉はやはりかけてくれないのがナヴァル・ラヴィカントという人物です笑
瞑想はただ座って呼吸に集中する一般的な物だけでなく、ハイキング、ジャーナリング、シャワーなど様々な場面で取り入れていると言います。不安とは過去や未来に思いを寄せることで起こると理解すれば、実に我々が普段から過去や未来に思いをはせているかに気づかされ驚きます。生活のあらゆる所に瞑想を取り入れて心を平安に保つこと、それでこそ100%の集中力を目の前のことに向けられるのだと、教えられました。
本書を読む前は、「富」の方にモチベーションを感じて読み始めましたが、読み終わった今思うのは、生き方について書かれた本だと思いました。倫理学に近いような、とても本質的な事が語られている本で、今後の人生で定期的に読み返したいと思える良書です。是非一度手にとって読んでみてはいかがでしょうか。
コメント